ラストテレパシー -The Last Telepathy- #12
「…少女の夢?」
「はい」
「それはまた。一体何を意味するのかね」
「今の段階ではなんとも…。でも、わたしの夢にしては鮮明なほうかと」
「それは、かなり”予知”に近いと」
「そうかもしれません」
「ふむ…」
バルジは目を閉じ、しばらく考え込んでいたが、
「詳しく聞かせてくれないか、セイファート」
「はい。その前に」
セイファートはバルジの卓に近づき、声のトーンを落とし、囁くように、
「失礼ですが…、お人払いを願えますか」
部屋にはふたりのほか、誰も居ない。しかしバルジはうなずき、
「わかった」
バルジは目を瞑り、すっ、と右腕を上げる。しばらくして腕を下ろし、目を開ける。
「この部屋にガードを張った。我々の会話は外部に漏れることはない。また、テレパシーで探られることもない」
「ありがとうございます」
「相変わらず用心深いな。まあ、続きを」
「はい―」
軍ではずば抜けた予知能力を持つセイファート。その能力は数々の戦術に生かされてきた。先のラスタスの「隣国のマスターの無力化」作戦も彼の予知が発端となって行われたものである。
また知略にも長け、今はシンクタンクの一員となっている。それどころか、元帥に直接助言出来るまで上り詰めたのである。
それから数日後の朝。
「また見ちゃったよ…」
カーテン越しから差す、鋭い朝日に急かされると、ラスタスは気だるそうに寝返りを打ち、サイドテーブルの上ですでに目覚めているぽんちゃんに話しかける。
「ピ?」
「女の子の夢。また同じ女の子…」
ラスタスは溜息をつき、
「ねえ、どう思う?」
ぽんちゃんはじっとラスタスを見つめ、小首を傾げた。ラスタスもじっと、ぽんちゃんのふわふわとした毛で覆われた小さな体を見つめる。しばらく見つめ合っているうちに、次第に可笑しみが湧いてきて、お互い、同時に吹き出す。
「ぷっ、ふふふ…」
「ピピピ…」
「ははは………あっ!」
弾かれたようにラスタスが身を起こす。
「ピ!?」びくっと跳ね上がるぽんちゃん。
「もしかしたらわかるかも!」
先ほどの気だるさから一転、ラスタスはベッドから飛び降りた。
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